イコロの森

ガーデン日記

2020.10.23日記

ブロック、マトリックス、スキャッターとは何ぞや


明日の夕方は「ブロック、マトリックス、スキャッター植栽:ピート・アウドルフの創り出す世界」の質疑応答です。

生中継で、お昼ちょっと前のオランダからはPietが、朝10時のイギリス・ポルトガルからはNoelとAnnieが、Zoomを通してQ&Aを開催します。

事前にご覧いただいたレクチャー動画では、ご本人自ら植栽のデザインについて、どういう風にプロジェクトが進められているのかといった濃厚な内容を1時間半近く話されています。

.

そもそも、タイトルのカタカナ、かなり意味不明だと思います。というのも、日本語にぴったりハマる言葉がないのでそのままになっているのですが、ここで少し定義に触れられればいいなと思って。

ブロック・プランティング Block planting

Block (塊)とかgroup (グループ)、mass(大きな集まり、塊)プランティングと呼ばれる植栽方法。

 

群植という言葉がありますが、同じ種類、同じ品種の植物を大きなまとまりで植える方法のことを指します。

一つの色や形がドーンと一箇所にまとまるので、ビジュアル的にかなり見応えのあるデザインになります。

.

スキャッター Scatter plants

Scatterするというのは、ばらまく、散りばめる、という意味。

スキャッター・プランツは、文字通り、植栽の中でランダムに散りばめられる植物のことです。

自然らしさや偶然さを表現する上で要となる植物で、庭の中全体に「散りばめられる」ことでやりすぎない感じで統一感が生まれます。

.

マトリックス Matrix planting 

「マトリックス」という言葉はさまざまな意味を持っています。

そう、キアヌが銃弾をスローモーションで除ける、あの有名なシーンがあるマトリックスです。

エセ理系としては、最初に言葉に触れるのは数学と生物の授業。

数学のマトリックスは行列。[ ] のなかに数字とか文字とか数式が配列されているアレです。

生物のマトリックスは、分子レベルの話で出てくる言葉で、細胞間の基質を指します。細胞の間にある物質の総称で、物質の移動や情報伝達の場だったり、細胞の構造形成に影響する役割を持っています。もはやうろ覚えですが。

.

植栽で言うマトリックスは、どちらかといえば後者に近く、英語の定義では:

”the set of conditions that provides a system in which something grows or develops” (Cambridge Dictionaryによる)

.

大まかに言えば、何かが新しく生み出されて発展する土台や基盤となる環境や状況、構造のこととなります。

さらに詳しく言えば、1種、もしくは数種の植物が大きなまとまりで使われ、その中に単独の植物や小さなかたまりで植わさる植物がはめ込まれていく植栽手法。

少ない数で現れるものは大抵、見た目にインパクトがあるもので、逆にマトリックスに選ばれる植物はもう少し大人しく振る舞うものが(だからスゲ類とかのグラスが選ばれる)多いパターンです。

.

よく例えに出てくるのがフルーツケーキの断面。クリスマスとかの時に食べる、あのどっしりとあまくて、長持ちなケーキです。

生地の部分がマトリックス、ランダムに混ぜ込まれたナッツやドライフルーツがスキャッター・プランツなど、ということになるわけです。

ナッツとフルーツは整列しているわけでもなく、好きなフルーツが入っているカットに当たった時の嬉しいサプライズもあって、より自然に見える、ということです。

しっくりくる日本語がありますかね?

.

ナチュラリスティック・プランティング Naturalistic planting

日本でも公共空間や個人のお庭でも注目をあつめる植栽手法。

オタク〜って気持ち悪がられそうだから表面的なことだけとしますがw 実は奥が深く、欧米からの影響はもちろん、日本古来の植物との関わりもあり、自然と隣り合わせの環境にもともとあった日本では特にすんなり受け入れられる考え方なのでは?

.

まったくの自然の植生のコピペではなく、自然に身を置いた時の感覚の表現だったり、インスピレーションがもとになった植栽手法ということです。

あくまでナチュラル(自然)ではなく、リスティック(○○風)であるということがキーポイント。

.

十勝千年の森の新谷みどりさんの「ナチュラリスティック・ガーデン」という素晴らしい本があるので、おすすめです。

あっ、今度新しく出版された本も。それはまた後日。

.

シードヘッド Seedhead 

シード(タネ、種子)+ヘッド(頭)

開花後、結実した姿をシードヘッドと呼びます。

.

全部の植物がシードヘッドがあるわけではなく(しかもきれいとは限らない)、特に乾燥した後もその形やシルエットに鑑賞的価値があるものを、刈り込まずにあえて残すようにするのがおすすめ。

一年の半分が雪に覆われる北海道では特にこのシードヘッドまで楽しめると、庭づくりの幅も広がってきます。

.

灌水 Irrigation 

水やりのこと。植物に水を与えることなので、ジョウロでもスプリンクラーでも、どんな規模の水やりでも灌水と呼びます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA