イコロの森

工藤敏博の植物日記

カテゴリー: 日記の記事一覧

2023

2.18


日記

冬明け

年明けから始めての一昨日からの暖気、冬明けを感じます。
今日も5℃くらいまで上がるよう。
もう2月も中日を過ぎましたからね。
こうなれば三寒四温、少しずつ春に近づく訳です。

 

一昨日はイコロでしたが、鳥たちの動きも明らかに今までとは違い賑やか。
ハウスの中も陽が差せば春爛漫の陽気になります。

 

昨年入荷したバラ苗も動き始めました。
屋外での4月上旬のステージでしょうか。
そろそろ施肥も必要になります。
同じくハウスにある越冬株も、これに合わせて剪定〜植替えをしようかと。

 

一昨日は昨年から冷蔵保存していたバラの挿し穂を挿しました。休眠挿しですね。
夏の緑枝挿しでは発根しづらいハイブリッドルゴサだけ、それも今では全く流通していない7品種に絞りました。
休眠挿しの秘訣は頭寒足熱。地上部は寒冷紗をかけできるだけ暑くならないように、挿し床は電熱マットで暖かく。
少しでも残ってくれることを願っていますが、どうなりますかね。

 

この所、あちこちのバラのデータ入力など、自分にとっては楽しいデスクワークが主体で、その合間に個人邸や自宅の樹木剪定など。
2月も下旬になればもう切れないものも出てくるので、まさに今のうち。
もう少し粘って進めたいと思っています。

 

始まりますね。
そろそろ体もそれに備えて準備しておかなければ。頭も、ですね。

2023

2.8


日記

タイムスリップ

昨年末から福島県の某公園バラ園のリニューアル計画に関わっております。
何度か出向き、昨日も日帰りでKimさんと行って来ました。
計画通り進めば次の冬が改修の山場、それまで今年は何回か行くことになりそう。

 

リスト上では一応260品種、800株ほど、そこそこの規模ですね。
でもほぼ全てのバラは昭和46年に一市民から寄贈されたもの。
年数を経てラベル落ちものも多く、この夏の開花期に品種同定をして改めて作戦を練ります。

 

それに先立ち、年明けからリスト上の品種を精査しておりましたが、これが今ではお目にかかれない懐かしい品種ばかり。時代が時代なので、ほぼHT。今では考えられませんね。
正しく昭和20年代後半からの第一次バラブームで流通した品種ばかり。懐かしのあまりタイムスリップしたような思いになりました。
それをどう捉えるかですが、それを長く維持して来たという事実はある意味、賞賛されてもいいと思います。
流行りに流され、入れ替わりの激しい今の風潮へのアンチテーゼ的な意味合いも大きいかと。
こじつけかもしれませんが、でもそういうの好きです。

 

でも、全体の調和を図るため、かなり移植しなければなりません。
工期は来年3月までなので、いつもやるようなポットへの仮植などの養生期間は取れません。
北海道と違って2月も中旬になれば動いて来るので、次の冬の12~1月にダイレクト移植を目論んでいます。
所変われば、ですね。

 

でも50年以上もののこんな株ばかり。

(上はモッコウ、下は多分1940年アメリカで作出された血の色のLCl″Thor”)
難物ですが、いろいろ手を尽くして何とか引っ張らなければなりません。

 

加えて、今までは品種の構成上しっかり薬散防除をしてきたものを、完全無農薬にするのが至上命題。
当然落ちるものも出るだろうが、それはしっかり見極めて修正発展していけばいいのかと。

 

いずれにせよ、自分達が今北海道でやっているバラの世界とは全く別世界。
それはそれで興味深いものでもあり、見事なサクラの大木や刈込みもの主体の和の場面ではその方が似合うとは思います。

 

仙台空港までの飛行機、仙台駅からの東北新幹線、少しは慣れてきました。

2023

1.25


日記

寒波の中での剪定作業

昨日は昨年末からやっているいわみざわ公園色彩館(温室)のつるバラの最終日。
剪定後の誘引をして締めました。
ずーっと高所での作業、事故無く終えることができて何よりでした。
これも除雪の合間の皆さんの緊張感を持った姿勢の賜物です。ご苦労様でした。

Good Job!

 

昨日も高速での行きは、江別東から全くのホワイトアウト。
辛くも岩見沢の出口看板を見つけて高速を出ましたが、いつものこととは言え、何とも命が縮む思いでした。

 

温室の天井には雪は乗り、側面も背丈以上に積もっています。
時折屋根からの氷状になった雪が落ち、それがガラスにぶつかる音が凄まじく、その都度飛び上がります。
そんな中での剪定作業、いわみざわ公園ならではですね。

 

10年に一度の寒波とのこと。
今日も岩見沢は終日雪のよう。
またまた除雪ですね。本当にお疲れ様です。

 

温室のつるバラの開花は、ゴールデンウィーク頃がピークとなります。
あと3ヶ月で別世界になる訳ですが、この寒波の中ではとても想像できない。
早く緩んでくれることを願うばかりです。

2023

1.8


日記

ORWELL’S ROSES

ご無沙汰しておりました。
もう正月も8日、松の内も終わりでしょうか。
遅ればせながら本年もよろしくお願いいたします。

 

行く所あちこちでコロナ感染者も多いのですが、幸いうちのスタッフは皆んな元気です。
中国では「まだかかってないの?」との会話が日常になっているようですね。
くわばら、くわばら。

 

例年通り他のスタッフはポット植えの宿根草の植替えを黙々と進めていますが、バラ苗もいつもなら輸入苗は2月入荷なのが全て昨年末に入荷しポッティング済み。
早いのはいいのですが、いちばん円安の時だったので複雑です。こんな時に限って早く来るとは…うーん。

 

雪かき、札幌もイコロも年末年始一度も無く珍しい年になりましたが、岩見沢方面は続きましたね。
夕張、ニセコ、音威子府(今年は何故か音威子府が気になります)方面などもかなりのようで、ハウス崩壊の話も聞き、昨年のこともあるので他人事ではありません。本当にご苦労様です。

 

楽させてもらっての年末年始はいつも通りの読書三昧。
その合間に家の掃除、おせち+日本酒、初詣など、個人的な年中行事もいつも通り。

 

その読書、正しく私事なのでどうでもいいことですが、昨日読了した『オーウェルの薔薇』。
逆順ですが自分は村上春樹の『1Q84』からジョージ・オーウェルの『1984年』に行き、そして本書でした。
全体主義に対する反体制の強いイメージがありますが、オーウェルが晩年の人生で最上位に置いていたのが意外にも庭づくり、庭いじり。それも植民地主義、囲い込み運動などを踏まえての庭への関わり。
今のガーデニングに対する痛烈な批判とも読み取れました。
ずーっと考えて来たことと一致するので非常に納得できました。
でも、決してバラ本ではありませんよ(笑)。

 

今年はどんな年になるんでしょうか?
相手(庭、植物)が同じなのでいつも通りかかるしかありせん。
いつも通りのことを淡々とこなす、先ずはそれが目標でしょうか。

2022

12.21


日記

危険がいっぱい

一昨日からいわみざわ公園の色彩館(温室)でのつるバラ剪定が始まりました。
恒例行事ですね。

 

10時くらいから晴れましたが、朝方は吹雪。40cmくらい積もったみたいですね。
札幌は晴れていましたが、高速の江別からは全くのホワイトアウト。
何で通行止めにしないのよ〜と嘆きながら、運転を放棄したくなりましたが何とか無事に到着。
毎年経験することですが慣れることはなく、無事にたどり着いたことが奇跡のように感じます。
全く生きた心地がしない、命が縮みます。

 

剪定は一昨日と昨日の二日間で1/3程度進んだでしょうか。
この時期じっくり剪定できるのは、天候に左右されない温室内ならではですね。

 

でも、2連梯子と脚立、足場を駆使しての高所作業は危険がいっぱい。下に降りるまで気が抜けません。
歳を重ねるごとに体と気持ちの緊張感を保つのが難しくなっていますが、だからこそ余計に意識して臨まねばと自戒しています。

 

週に2回のペースで年明け1月中旬までかかる予定。
何とか事故なく終了することを願うのみ。否、絶対に、ですね。