イコロの森

工藤敏博の植物日記

カテゴリー: 日記の記事一覧

2019

3.19


日記

レジュメ

昨日は気温が上がりましたね。
今日も札幌は12℃くらいになるようで、ついに積雪0になるでしょうか。

 

昨日は、イコロでまた入荷したバラのポッティングでしたが、一昨日まで二日ほど風邪気味で札幌の自宅に籠もっていました。
すぐに病院に行ったので熱は下がり、良い機会と今週末から始まる講習のレジュメの原稿を二日間びっしり書いてました。
今朝でほぼ完了。

 

改めて「バラの園芸化の流れ」をまとめてみました。
面白かった!
いつも使ってる各系統のまとめの前段として、A4一枚でまとようと始めましたが、原始から古代、中世、近世までで3枚に。
近代及び現代は歴史の評価もありで割愛。また今度。

 

バラだけでなくどんな植物も、とくに園芸的に利用されててきた植物について、それを系統的に知るということは理解が深まり、栽培方法にもいろんなヒントが得られる。
ひとつの植物について徹底的に調べてみるって、それだけでなくいろんな植物についても想像力を高めることになると思うのです。

 

なお、能天気なカエルは本文と何の関係もありません。

2019

3.14


日記

ポッティング

昨日も、入荷したバラのポッティング。
国内ものがばらばら入ってくるので順次やってます。
今年は他施設からの依頼ものが多く、春植えするのでそれらは6寸ポット、イコロでの販売ものは長丁場なので7寸ポット。ややこしい。

 

ご同業はどこも同じようなことをやっているんでしょうね。
多分どこも、先週から今週に無加温ハウスを建て、今週から来週が植込みのピークでしょうか。
昨日の雪は焦ったでしょうね。
本州の出荷先の冷蔵庫でストックされていたものが、最後に北海道向けに出荷されます。
冷蔵庫も無かった昔は、本州の芽出し頃の1〜2月に送られてきて雪の中に埋めたものです。
雪から出すまではネズミにやられていないか、寒さで傷んでいないか、ヒヤヒヤしたものです。

 

いろいろ考えながらやろう、といつも思うが、全く無理。
複数のことを同時に進める「マルチタスク」は脳によくないそうですね。脳がオーバーロードし、大脳皮質が収縮してしまうとのこと。
無心でのポッティング、まさにひとつのことに集中しているわけでシングルタスク、脳にはいいのかもしれません。

 

あれこれいろいろ考えているより、よっぽど楽しい。
まだまだ続きます。

2019

3.11


日記

ウサギのかかし

うん、やっぱりこの陽気だとガーデンをのぞいてみたくなりますよね。
雪融けは進んでいるものの、何だか札幌の方が少ないように感じます。
しかも顔を出した地面はカチンコチン、さすがですね。

 

いつも思うのだが、モルト樽のバラのPP囲い、ウサギがちょこんと座っているように見える。
真っすぐこちらを見てるかのように。
少しはかかしの役目を果たしているんでしょうかね。
そんなことはないわな〜

 

3.11、
いまだに2,500人以上の行方が分からず、50,000人以上が全国で避難生活を送る。
福島第1原発の廃炉も現時点で30〜40年後という。
自分が生きている間には解決しない、とんでもないモンスターを抱えている訳です。
「復興」オリンピック、どうにも絵空事と思えてしまうのです。

2019

3.7


日記

植え替え

昨日の夕方5時頃札幌の円山辺り、大倉山ジャンプ台横に沈む直前の太陽。
肉眼では異様に大きく見え、しかも「赤い月」でした。
空気の状態などでたまにはありますが、思わずPM2.5の影響かと思ってしまいます。
なんだか空気もどろ〜んとかすんでいましたしね。

 

先日からやっとハウスの中で在庫のバラの植え替えをやっています。
芽出しが始まったブッシュから。
いつもはもっと早めに手を付けているのですが、今年は冬の寒さが堪え、緩んでからにしました。本来なら今くらいのステージが適期でしょうね。

でも、来週からはついに山ほどの宿根草が入荷する予定だし、残りのバラも入って来る。
いろいろ重なる…うーん。

 

この時期、室温をできるだけ下げるため日中は側窓を全て開け放します。
うちの女性陣はPM2.5でかなり参っているようですが、不思議と自分は何も感じない。
鈍いんでしょうかね?
暖かいハウス内での作業、気持良く作業できることは幸いとします。

楽しい作業ではあります。

2019

3.4


日記

続・トゲ無し

先日トゲの少ないバラのことを書きましたが、肝心なものが抜けてました。
今年のラインナップのひとつ、トゲ無しノイバラです。
先日書いた ‘Ghislaine de Féligonde’ 始め、どれもがノイバラの影響でトゲが無いあるいは少ないのですから、どれもがHybrid Multifloraとも言える。

 

ノイバラ(R. multiflora)のトゲ無し、ほのかにピンク花。
蕾の時はピンクで、開花すると色抜けしてかすかにピンクが残ります。

 

これ実は20年以上前の百合が原公園時代の実生ものです。
当時はやたら原種類の実生をしていて、ノイバラもやたらforma(品種)やvariety(変種)が多いので、一攫千金狙いで毎年かなり播いていました。
が、どうやら個体差を確認できたのがこの株だけ。
(なんせ発芽率が高いので、樹性のみで選抜したせいかもしれませんが)
トゲナシノイバラ( R. multiflora f. inermis)やピンク花も世の中にあるものの、この選抜種はどちらの性質も持ち、樹形のまとまりがいいのが特徴と思います。
一株だけ持ち歩いていて、イコロのローズガーデン造成時に真っ先に植えました。

 

どういう訳か数年前からノイバラを植えたいとの要望ありで、イコロの株から増殖した株を今年は販売します。
まあ僅少の差異なので、ノイバラと同じに扱っていただければと思います。あるようでないもの、です。

 

当たり前だが耐寒性と耐病性は抜群、耐陰性もほどほどあり、満開時は甘い香りに包まれます。秋のヒップも鳥たちの大好物。いろんな園芸品種の根源的なものであり、英名でJapanesa Roseとも呼ばれる日本の誇るバラの原種。
まさに一家に一株でしょうね。

 

またまた一家に一株、バラばっかりになっちゃいますかね(笑)