イコロの森

工藤敏博の植物日記

カテゴリー: 日記の記事一覧

2018

10.18


日記

最後の芝刈り

久しぶりのブログになってしまいました。
この間のあれこれも、何かだいぶ前のことのように思えてしまうように、毎日の予定をこなしていくだけで日々が過ぎ去っていきます。
「光陰矢のごとし」、とくに冬までわずかのこの時期は、時間は矢のように早く飛んで行くのでしょうね。いつもそうだな。

 

昨日はそんな日々のつかの間の空き日。
あれもこれもと思いましたが、先ずは自宅の芝刈り。
雨が多くなかなかタイミング合わず、横目で見る度に気になっていました。
今日しかない、と決行。

 

今の時期の芝刈り、乾かなくて難儀します。
いつもの2、3倍時間がかかる。
刃に付いた刈草をいちいち手でかき落さなければなりませんから。
何とか終了。今シーズン最後とします。
これからの作業は全て今年最後となりますね。

 

苗圃然としている我が家のバラも、最後の花を咲かせています。

 

Mary Fleming、花付き良く、間断なく咲いている印象ですが、やはりこの時期の酔っぱらっちまった感のピンクの差し色が何ともいい。
カナダFleming作出のFlですが、樹形はFlというより小型のHMskっぽくて自然な感じもいい。

 

Folksinger、Buck博士のシュラブ。
こちらも夏花とは全然異なる花色で、最後の花をじっくり愛でました。
どちらもZ4、開花性も抜群なので、あちこちで使いたいものですが入手はかなり難しい。

 

庭のオオウバユリの蒴果。
いつの間にか口を開き、上部の半分くらいのタネはすでに周囲に飛び散っていました。
一気ではなく、少しずつ開いて時期をずらしてタネを放出しているんですね。
決められた手順を確実に実行していく。あれこれ振り回されている人間界とは違います。
こんなの見る度に、襟を正さなければ、と思うのです。

2018

10.10


日記

藤女子大

札幌の北16条にある藤女子大、その中の改修された大聖堂。
昨日はそれに伴う外構工事の一環で、南と東の道路沿いの植え枡の植栽に。

 

最初は、バラ好きのシスターから是非フェンス沿いにバラを植えたいとの依頼でしたが、いろいろ話して南側はホザキナナカマド、東側はシラタマミズキとセイヨウミズキの品種ものに。
管理規模などいろいろうかがって、どうにもバラは無謀なので諦めてもらいました。
ごめんなさい。

 

手のかからないものでしっかり外部と遮蔽する緑のスクリーンを作ってから、適所を見極めじっくりバラの落としどころを見つけようと提案。
取りあえず皆さんに満足してもったようで、何故か学長と記念写真も撮られました。
バラ好きのシスターも、今後バラが植えられるのが楽しみとのことで、納得されたようです。
じっくり場面を作り上げていくことが理解されるのは嬉しいことです。
今後も一緒に考えいきたいものです。

 

さて、今日は今年最後の羽幌。
もっと北のサロベツ方面にも、との誘惑にかられますが、日帰りなので無理だろうな〜
空気感だけは感じてきたいな〜

2018

10.5


日記

公園の記憶

昨日は北海道はどこも晴れ、一年で数回かもしれません。
朝方は寒かったですが、日が昇ると太陽の光は優しく風もなく穏やか、最高の日和でした。

 

ムズムズして仕事なんか放ってどこかに行きたくもなりましたが、昨日はいわみざわ公園。
バラ園もどこも秋の日差しでキラキラ、朝方ゆっくり秋バラを見てお腹いっぱいになりました。

 

昨日のいちばん、イギリスHarknessのHumanity。
やはり秋花は全然違います。
初夏の一番花〜夏花は目立たず、株もいまいちでしたが、いつもこの秋花を見ると見直します。
再度輸入したいものですが、かなり難しい。うーん。

 

この秋はリニューアル以降、初めて本格的に土壌改良を行います。
凍害、寒風害もありですが、6年を経過して土壌もかなり劣化。
表層はマルチングで薄く腐植層ができているものの、心土の土壌分析の結果、腐植が2%程度とのこと。6年前に2割ほど入れた腐植はほぼ分解しています。
当たり前ですよね、腐植は消耗品ですからね。

 

腐植を入れるために株周りを掘る、今年入った新人S君。
一昨日試しにやってもらった型通りのやり方を、昨日は現場に合わせてアレンジ。
株周り全てではなく、やり易い所を狙って、根が伸びやすい所を狙って行いました。

 

彼が使っている道具。
「根起こし」との名称で岩見沢市内のホームセンターで売られているそう。札幌では見たことありません。さすが土地柄ですね。
確かAnnaさんの時代に見つけてきたものですよね。
これ優れものです。足をかけて土に挿し、てこの原理で簡単に土が耕せる。
ジャガイモの掘り起こしにも使われているみたいですが、宿根草の掘り取りにもイケると思います。
根を切らないのがいい。

 


 

新人S君、自分の半分以下の年齢ですが、とても素直で真摯。
きっとバラも素直に育つと期待しています。
札幌出身で、実家は百合が原公園のすぐそば。
中学校時代、俳句と短歌が趣味で(変わった子ですね)、百合が原公園の南端の藤棚の下のベンチが指定席、そこで俳句を考える時間が至福だったとのこと。
10年ほど前の話しですから、きっと自転車に乗って公園内を走り回る工藤がそばを駆け抜けていたと思います。
そんな場所を公園に作りたいとのこと。ですね、いわみざわ公園にはベンチはあるもののどうにも落ち着きませんから。

 

子供の頃遠足で百合が原公園に行き、どこそこの景色が記憶に残っているとか、リリートレインからの景色を憶えているとか、公園を抜けてからも大人に育った何人かから聞きました。
自分にとっては何より嬉しい言葉です。
その記憶はずーっと残っているわけで、そんな景色を作ってきたことが自分の仕事でしたから。
それが受け継がれて続いていく。感慨深いものがあります。

2018

10.3


日記

新たな講座

昨日は道新文化センター札幌大通教室での講習、全6回の初回でした。
街なかでの講習は久しぶりかも。
12月まで月2回、今月から力業が続くので体と頭が保つかどうか…頑張ります。

 

語り部が同じなのであまり代わり映えしないと思いますが、今の自分の思いをいろいろ盛り込むようにしています。
新たな講座ではとくにそう。
このところ、バラの品種選定をしていたこともあり、北海道で使いたい品種の導入の困難さを感じていて、昨日も思わずそんなことを愚痴ってしまったかもしれません。
ご容赦ください。
(尚、定員30名は埋まり、今からの参加はできません。申し訳ありません。)

 

そんな中、一昨日は雨の合間に先日のオホーツクに続いてハマナシの採種へ。
まだムズムズしていて…そんな場合でもないのですが、どうにも腰が落ち着かない。
もうすぐ冬が来るとの本能でしょうか。
で、札幌から行きやすい伊達のエントモ岬とアルトリ岬へ。

 

何回か行ってますが、マウンド状になった砂浜のエゾノコウボウムギのコロニー、そのかたわらで頑張って咲いているハマナシ。
それを見るだけで、否、そこに身を置くだけで満足。
人間業ではないですからね。
ノイバラの大群落も確認でき、満足万蔵。
今年はこれが最後、また来年。

2018

9.29


日記

震源地の培養土

昨日はイコロの近くの堆肥屋に、イコロのポット用の培養土の打合せ。
毎年お願いしてますが、少しずつマイナーチェンジしています。
今回の出来は、さて、いかに!?

 

北海道の培養土の特徴は火山レキとピートモスでしょうね。
どちらもふんだんにありますからね。
もちろん堆肥類も種類豊富。
世界的に見てもこれだけの材料が地場もので賄えるのは希有なことだと思います。
パーライトなんかもかつては釧路や函館で生産され、奥尻島ものは最高級品とされましたから。

 

昔からできるだけ地場のものを使うようにしています。
赤玉土をベースにすれば安全でしょうが、関東ローム層の土を北海道で使うのは何ともな〜と思ってしまうわけです。

 

イコロの培養土でベースになっているピートモス、火山レキ、焼赤土は厚真産。
この度全国的にその地名が知れ渡りましたね。
ある意味、この辺りはピートと火山レキのメッカかもしれません。

 

基本的に火山が多く、雨が多く、植生が豊かだからこその産物と言えるかもしれません。
逆にそれらのことで自然災害も多い訳で、表裏一体と言える。
土のことを考えても今回の地震に思いを馳せてしまいます。
全てが繋がっているのですね。