本州など各地の猛暑、まさに報道されている「命の危険がある暑さ」ですね。
北海道でも今日から高温が続くようですが、本州などから見れば風が吹けばクーラー状態でしょうか。
でも、暑さに慣れていない北海道民にとっては25℃以上になればとても暑いわけです。
一昨日のイコロの帰り道、桂ゴルフ倶楽部の林の中ではオオウバユリ(Cardiocrinum cordatum var. glehnii)の花がまだ残っていました。
さすがクーラー状態ですね。
札幌の自宅にもあり、既に終わっていますが、窓からすぐそばの株が異様に大きく育ったので毎日観察していました。
7月11日、かたまっていた蕾の固まりが大きく膨らんで、少し分かれてきた状態。まだしっかりと苞葉に包まれています。
7月14日、固まりが割れ、各蕾が下がってきた。いよいよです。
7月15日、全部の蕾が分離、開花はもうすぐ。
7月18日、朝方同時に中間部の3個の花が開花。夕方にはほぼ全部が開花。ユリは下の蕾から、バラの房咲きは上からなんですが、ほぼ一気に開花するんですねウバユリは。
全部で29輪、全長198cm。普通見られるのはせいぜい多くても20輪ほどだから、かなりの大株といえます。バラの植床すぐそばだからでしょうか。
その花のアップ。ユリに似た上品で甘い濃厚な香り。ハチやらアリやらどんどん集まって来る。そりゃそうだわな~
7月20日、うーん、あっという間に萎れてきている。開花期間2日。実生から6~8年目に開花。一生に一度だけの開花(一回繁殖型植物)。
7月22日、どんどん花弁を落とし、既に子房が膨らんできているのがわかる。うーん、進みが早い。
この後、お馴染みの茶色の果実ができ、一つの果実に何と500ほどのタネが入ります。
草丈高く伸びるのは、生育場所の変化に対応するためにタネを風で遠くへ飛ばすためとの説もあり、さらに株元にはラメット(娘鱗茎、栄養繁殖体、分球ではなく子球ができる感じ)もでき、それは3年ほどで開花(自宅の株は多分それ)。実生繁殖と栄養繁殖を同時に行っているわけですから、実に巧妙な生き残り戦略を持っているといえますね。
ちなみにウバユリの和名は、花の咲く頃に葉が枯れているものが多いので歯の欠けた姥に例えてのもの。うーん、何かもの哀しい。
アイヌ語のトゥレプの方がいいな。
デンプン多く含む鱗茎、アイヌ民族にとっては穀物以上に重要な位置を占めていたといいます。
花が咲く一年前の物を採取したようで、タネをばらまく開花株を残すことで資源を持続可能に利用したのですね。
庭の中での除草も然り。これは2年後かななんて思いを馳せて、それはそれで楽しいものです。