イコロの森

工藤敏博の植物日記

2019.6.27日記

ハマナシへのレクイエム


昨日戻った札幌は暑かったですが、えりも町方面は20℃以下。
とくに襟裳岬は風強く霧の中。
さすが風速10m以上の風の吹く日が年間290日以上、年間の1/3は霧(とくに夏期が多い)と言われるだけのことあります。

 

岬突端への遊歩道沿いのハマナシ。
ここまで這いつくばる株は他にはありません。
強風の成せる業、全く立ち上がらずまるでアルパインプランツのよう。

 

今回は三石から浦河、様似、そして襟裳岬を越えた百人浜までじっくり見てきました。
昔に比べて、この襟裳岬の柵でガードされた這いつくばり以外はかなり個体数は減っています。
小群落というか、辛うじて運良く残っているという状態。

 

どこもそうです。
今に原生花園などとして保護されている所以外は、ほぼ無くなるのではないか?と思います。
護岸工事や海沿いの道路の付け替えでは、真っ先に影響を受けますからね。

 

海から吹き付ける風の音は、そんなハマナシへのレクイエムに聞こえました。