イコロの森

工藤敏博の植物日記

2019.3.4日記

続・トゲ無し


先日トゲの少ないバラのことを書きましたが、肝心なものが抜けてました。
今年のラインナップのひとつ、トゲ無しノイバラです。
先日書いた ‘Ghislaine de Féligonde’ 始め、どれもがノイバラの影響でトゲが無いあるいは少ないのですから、どれもがHybrid Multifloraとも言える。

 

ノイバラ(R. multiflora)のトゲ無し、ほのかにピンク花。
蕾の時はピンクで、開花すると色抜けしてかすかにピンクが残ります。

 

これ実は20年以上前の百合が原公園時代の実生ものです。
当時はやたら原種類の実生をしていて、ノイバラもやたらforma(品種)やvariety(変種)が多いので、一攫千金狙いで毎年かなり播いていました。
が、どうやら個体差を確認できたのがこの株だけ。
(なんせ発芽率が高いので、樹性のみで選抜したせいかもしれませんが)
トゲナシノイバラ( R. multiflora f. inermis)やピンク花も世の中にあるものの、この選抜種はどちらの性質も持ち、樹形のまとまりがいいのが特徴と思います。
一株だけ持ち歩いていて、イコロのローズガーデン造成時に真っ先に植えました。

 

どういう訳か数年前からノイバラを植えたいとの要望ありで、イコロの株から増殖した株を今年は販売します。
まあ僅少の差異なので、ノイバラと同じに扱っていただければと思います。あるようでないもの、です。

 

当たり前だが耐寒性と耐病性は抜群、耐陰性もほどほどあり、満開時は甘い香りに包まれます。秋のヒップも鳥たちの大好物。いろんな園芸品種の根源的なものであり、英名でJapanesa Roseとも呼ばれる日本の誇るバラの原種。
まさに一家に一株でしょうね。

 

またまた一家に一株、バラばっかりになっちゃいますかね(笑)