イコロの森

工藤敏博の植物日記

2017.9.2日記

葉の保ち


この時期、どこもバラは秋花までの端境期で夏休み。
本州まではいかないものの、やはり暑さと雨で葉を落とした株も目立ちます。
涼しくなってきて回復の兆候も見られるものの、やはり葉を落とした姿は庭の中ではマイナスですよね。

 

そんな中で葉を落とさず、元気モリモリのものもある。
それこそが使えるバラで、自分の選択肢では、とくに最近この葉の保ちが何よりも優先する条件になっているような気がします。

 

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昨日のいわみざわ公園、バラ園に入って最初に目にするのがLinda Campbell。

何かどぎつい色合いになってますが、色調補正した訳でもなく、秋の光の仕業でしょうね。
最初の場面ですから絶対コケない選択をしました。そうなるとやはりHRg(ハイブリッドルゴサ)になります。北国でのバラ園との象徴的意味合いもある。
葉の保ちと開花性では群を抜く品種です。
何せ花粉親はミニチュアのAnytimeですからね。
樹形も整い(暴れているように見えるが、HRgの中では行儀がいい)、マットな葉と白みを帯びてスクッと伸びる花柄も特徴的。

 

左端に伸びる花房を数えてみると、

 

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ざっと60輪以上ありました!
多ければいいって訳ではないが、よくもあまこの時期にこんな大房をと驚きです。

 

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ついでに自宅近くのNew Dawn。
やはり一番花より花は小さいものの、何よりこれだけ緑をずーっと保っているのはさすがです。
本州ではかなりの大株になるでしょうが、ある意味シュラブローズのようにほぼ自立使いできるのは、北国ならではかもしれませんね。

 

講習会などで、品種の特性を見るのは、夏の終わりのバラ園を見て回るのがいちばんとよく言ってます(もちろんコテコテ防除で維持しているところは論外ですが)。
今の時期、葉を落としているものって、やっぱりキツい、いくら花に魅力があろうと観賞用植物としては欠陥品と思います。
もちろん品種の特性だけでなく、栽培環境や手法なども大きく影響するでしょうから、その場所に合ったものを見つけると言った方がいいかもしれません。
どんどん淘汰すべきと思います。

残ったものは宝ものになります。