イコロの森にはドライガーデンと呼ばれるエリアがあります。
樽前山の影響か、園内の土壌は火山礫が多くまじっていて、水はけはよいですが、腐植は少なく痩せた土地です。周囲は林で、たくさん生き物がいるのですが、掘ってみると礫がたくさん出てきます。土壌の変化というのは数十年程度でどうこうなるもんではないんだなということを感じます。それはさておき、そんなところで、土壌改良を行わずに宿根草花壇を実践しているのがこのドライガーデン。イコロの森ではよく、「環境にあった植物選びを。」と言っていますが、まさにこのエリアはその端的な例と言えます。
乾燥に耐え、寒さに強い、手間いらずの宿根草が並びますが、いま見頃を迎えています。
ガーデンツアーの時もよく話すのですが、イコロの森は林の緑が背景となり、花も引き立つなーと思います。
ホワイトガーデンのバラ ’ポールファーナン’も開花を始め、そろそろ見頃を迎えそうです。いよいよシーズン本番です。
PLANT OF THE DAY 35
Nectaroscordum siculum ssp. bulgaricum ネクタロスコルドゥム・シクルム・ブルガリクム
ドライガーデンにもあり、ここ数日で開花しました。ネクタロスコルドゥム。英語の俗名ではブルガリアン・ハニー・ガーリックと呼ばれることもあり、アリウム属と同様、ネギの匂いがします。結構強めです。でもご覧の通り可愛らしく、花序はアリウムの密度の薄いバージョンのようでもあり、一つ一つの花だけを見るとフリチラリアのようでもあります。なんといっても、このスモーキーな雰囲気の花色がよいですね。秋に球根で流通しておりまして、花苗ではあまり見かけません。球根は植えっぱなしで毎年このように咲きます。イコロでは増えもしないが、減りもしません。この秋、ぜひ購入してみてください。(写真:イコロの森 ドライガーデン/2017.06.27)