低木の中でも、落葉期に鮮やかな色や魅力的な質感を楽しむことができる枝のことを「ウィンターステム」などと呼んで、冬から春にかけての庭を演出する貴重な素材として重宝しています。北海道では、「樹木は冬囲いする」ものなので、なかなか広まらない考え方なのかもしれませんが、もっと楽しんでもらいたいと思うことの一つです。
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イコロの森では今年も数種類のウィンターステムが温室で待機中ですよ。
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メインはCornus属。
取り扱い品種は
・Cornus alba ‘Elegantissima’
・Cornus alba ‘Kesserlingii’
・Cornus sanguineum ‘Anny’s Winter Orange’
・Cornus sanguineum ‘Midwinter Fire’
・Cornus sericea ‘Flaviramea’
・Cornus stolonifera
そして、Salix alba ‘Britzensis’
毎年枝を大きく伸ばして、その年の冬に枝を鑑賞することができます。古い枝は色が褪せてくるので、毎年更新させたほうがよいです。一旦成長すれば枝は勢いよく伸びますので、心配せず切っていきます。上の写真も、よく見れば毎年どこで切っているかはよくわかるはず。
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イコロのナーサリーのポット苗も一定の高さで毎年切っています。
こんな感じ。
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で、切った残骸はHardwood Cutting(休眠枝挿し)することができます。Salixはヤナギ属なので、容易に根はでます。イコロの森では、ポット苗の整理をしているとき、なるべく続けてドンドン進めたいので、とりあえず水を張ったバケツに入れておきました。
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すべてのポット苗の整理が終わると、バケツの中できれいな根が出ていたので、挿すというより、本日ポッティングしました。
たくさんできそうなので、ぜひ皆さんの庭にも取り入れていただきたいです。
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Wisleyのグラスハウスボーダーの植栽デザインはFive SeasonsでおなじみのPiet Oudolf。ここでもSalixは使われていますよ。品種は別もののようです。RHSのウェブサイトによるとSalix alba ‘Yelverton’かな。
左右の花壇の後方に等間隔で見えるオレンジ色がそれね。実際にこの芝生に立つと、宿根草と背景の緑の木々の間で、いいアクセントになってるんですよ。
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胸の高さくらいで切るパターンもありなんですね。
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ところで、よくみるサンゴミズキもウィンターステムの一つ。積雪の具合によりますが、地域によっては冬囲いをやめてみてもよいかも。雪に良く映えますよ。うまくいけば、他の種類もつかって、カラーステムでグラデーションを作りたいですね。