ひさびさにイコロに一日いられましたので、今年あらたに設置してみた順路看板に沿って歩いてみました。
フリチラリアが結構咲いてる。ミックス球根だったけどジャノメ模様の方が断然多い。
春の小径にはスイセンが開花中。開葉前の黄緑色のコルヌスの枝も春っぽくてよいです。
丸池にも緑が。
クロフネツツジの大株はまだ開花してないけど(もうすぐ!)、株元のスイセンやヘレボルスはいい感じです。ホスタもぐんぐん出てきています。
左に曲がってローズガーデンへ。バラは当然まだまだだけど、株元にはビオラやヘレボルスが開花中。
ホワイトガーデン。ユキヤナギやジューンベリー、スイセンが満開。
ホワイトガーデンを抜けて、フォリッジガーデン。プルモナリアの葉やロドゲルシアの葉が美しいです。
そして、ウッドランドガーデンへと続く自生の植物が多い園路へ。
ウッドランドガーデン内にもサインがあります。今はよく目立ちます。
なにもないと見せかけて、小さな花を発見できるエリアです。これも自生。
見上げれば木々の葉も増えてきてます。そろそろウッドランドガーデンも日かげになりますね。
園芸植物のエリアへ続きます。
そしてウッドランドガーデンを抜けると明るいボーダーへ。
今はラティルスが目立ちます。芝生は傷んだ部分への播種を終え、最後の目土作業中です。
赤いチューリップが遠景でもはっきり。アスチルベの銅葉も美しく、プルモナリアは元気に開花中です。
ムクデニアも大きくなって、白い花も増えました。
ボーダーを最後まで歩くとドライガーデンへ。ツツジもいいですねえ。ロドデンドロン大好きです。
生垣の前のチューリップはかなり小ぶりになってしまった。
ここで終点。入口に戻りました。
お、食事ができるのか。
オーダーしたら、食事を受け取って外のテーブルで食べるのもいいな。
こんな感じですかね。この順路はあくまで目安で、初めての方など向け。まだ見れていない部分や脇道もありますから、ぜひくまなく歩いてみてください。
しかし、ガーデンを見て、そのあと外で昼飯とは、相当いいですね。
天気の良い日にここで昼休憩をとることが年に数回ありますが、この昼休憩はその日のメニューがたとえカップヌードルでも最高の気分になります。「自分がこの人生でなんとか手に入れたモノ。」って感じがして誇らしい気分になります。いろんな人のことや出来事を少しだけ思い出します。そこへ、今日はチセのランチ。ファーガスにもらったディクスターのカップに柴田さんのコーヒーと、かなりグレードが上がってます。感謝ですね。
本日は、老朽化した井水ポンプの取り換え工事があり、水道が使えなかったため、ご来園の方にはご迷惑をおかけいたしました。無事に工事は終わりまして、水も快調に使えております。今度の芝生への水やりが楽しみですね。思いっきりできるといいなあ。
↑芝生の傷んでしまったところに目土を撒く様子。午後は僕も参加して、汗かきました。天気が良いと作業も気持ち良いです。
さて、今日は水道が使えなかったため、レストランもカフェも休業。そのすきに、カフェでは煙突工事が行われていましたよ。
この煙からは、焙煎中のコーヒー豆の芳ばしい香りがします。ほんといい香りです。
そうです。とうとうコーヒースタンドに焙煎機がはいりました。晴れてイコロの森はコーヒーを焙煎しているガーデンになりました。これまで以上に新鮮でおいしい本格コーヒーが飲めるガーデンになりました。庭を眺めながら美味しいコーヒーって、最高すぎますね。コーヒーに負けないように、庭を磨かないといけませんね。
【まだご存じない方のために。~ガーデンカフェ「チセ」とコーヒースタンドby寿珈琲について~】
今シーズンより、札幌の寿珈琲さんがイコロの森内にガーデンカフェ「チセ」をオープンしました。お弁当スタイルのカジュアルな食事をお楽しみいただけます。持ち運びが出来るので、レストランガーデンで小さいお子さんや、ペットと一緒にピクニックも可能です。「過ごす庭」にふさわしいスタイルとなっておりますので、ぜひご利用ください。あ、レストランガーデンへはお弁当の持ち込みもOKですからね。
そんな寿珈琲さんはコーヒースタンドも営業してくれています。去年までも寿珈琲さんにブレンドしていただいていた「イコロブレンド」で営業しておりましたが、今年からはもっと本格なコーヒーをおたのしみいただけます。そんなコーヒースタンドに焙煎機が投入されたということで、ますますコーヒーへの期待も高まっているというわけです。コーヒースタンドでは引き続きこちらも本格派、旭川の石渡紅茶本店さんの紅茶もお楽しみいただけます。英国風のガーデンでは、やはり紅茶でしょう、の方もご心配なく。雰囲気出ます。
天気の良い日はコーヒースタンドの一角をオフィスにしてみるのも良いと思いますよ。あ、でもWifiはとんでないので、ご自分でご用意ください。場所が場所なもんで、あれなんですが、ドコモなら快調に使えます。
10周年を迎えたイコロの森。
今年は年パスも新しくなりましたよ。
最近こういう写真ばかりですいません。ほんとに。
えぇと、今まで茶色や緑などのアースカラーでやってきた年パスですがとりあえず青にしてみました。
イコロの森のいい日の空の色、です。
そして、裏面にスタンプカードをつけてみました。
お買い物1000円ごとにスタンプ溜められるので、一杯お買い物してくださいね。というのは本音です。でも、もっと本当の願いは、「庭をたくさん見てほしい」です。だから、年パスお持ちの方は、10月まで入園フリーですが、入園の度にスタンプ押しちゃいます。庭で散歩するだけで、スタンプ溜めたら新しいレストラン「チセ」のお食事券2人分差し上げます。
イギリスでワークプレイスメント(研修)をしていた時、仕事ですから毎日、庭に出ていました。その研修をするまでは、自分は日本に帰ったらまた設計の仕事を主にしていくんだと思っていました。でも、毎日庭に出て、晴れの日も雨の日も、朝も昼も夕方も、花がたくさん咲く季節も、これから咲こうとしている季節も、咲き終わっていく季節も、全ての色をなくした季節も、全部の庭をみて、感動して、できればこんな景色をずっと見ていられる仕事がしたい、と思うようになったわけです。だから、ガーデンの入り口まで来て、「いまはまだ何も咲いてないだろうから、もっと良い季節に来るね」と帰る方をみると、やはり少し残念に思います。自分の好きなものを他の人も美しいと思うとは限らないし、それは当然なのですが、本当にもう一度来てくれるなら、今日ちょっと奮発して(具体的に言うと400円)見てもらえたらな、と思います。そうしたら、この季節の庭もいいもんだ、って思ってもらえるかもしれないと思うからです。でも、それはなかなか直接は言えないので、スタンプ(=チセの食事券=花より団子)で釣ってみよう、というわけです。それはスタッフみんなの想いです。スタンプカードというと、単なる経営的な浅はかな戦略っぽく見えるけど、そういう想いで始めてみたスタンプカードです。ガーデナー発信の取り組みです。もっとも、うちには事務とか営業とかは元々いませんけど。
もちろん、普段からイコロを応援してくださっている方への感謝の意味もあります。いままで、なにかお返ししたいと思っていたので。
この機会にぜひ、ご利用ください。
今日はナチュラルガーデンの整理の続き。
イコロの森のナチュラルガーデンは、コニファーガーデンの横にある池から流れる小川(人工)にそって、縦長に広がっています。細かく分けると、小川上流エリア、下流エリア、小川の奥の日陰(林床)エリアと小川の手前の日当たりの良いエリア、があります。
イコロの森の中にある、他の花壇と違い、開園以来大きくデザインを変更したり、植替えをしたりすることなく管理を続けているエリアです。自然風の庭やその植栽・管理方法は背景やデザインなどにより異なりますが、ここの場合はあえて言えば、テーマは「北海道の自生種を中心とした植物とそれを引き立てる植物の組み合わせで出来るシーン」で、管理はあくまでイコロ流のローメンテナンス。自然風の庭は見た目から想像するよりも手をかけないと意図通り維持できないことも多いですが、イコロの場合は「私たちが現実的に可能な範囲」での管理となっています。植物は自由に増えたり減ったりしてしまいますが、それをかなり許容し、風景を損なう可能性のある植物を適宜駆除するという方法で行っています。作業にかける人工は少なくても、作業する人の植物の知識や判断などは他のエリアよりも少し高く求められます。私たちとしても、自分たちの意図が少しでも上手に伝わるようにお願いする必要があるエリアです。
春は、ナニワズやカタクリ、シラネアオイ、ミズバショウなどがみられ、それからギョウジャニンニクやヤマシャクヤク、タチギボウシなどが続きます。秋の七草も見られるなど、春から秋までその移り変わりを楽しむことが出来ます。最近は、サンカヨウの問い合わせも多いですね。
サンカヨウ(Diphylleia grayi)
水にぬれると透明になる花弁が話題です。開花は5月の上旬ごろです。
さて、今日はそんなナチュラルガーデンの掃除です。上記のような管理を行っているので、その分スギナやササなど、あまり増えてほしくない植物が増えていくのも事実です。今日は先日刈り込んだものの集草と、増えてほしくない植物の整理を中心に行いました。図面上で、植栽図を書きながら考えるのも植栽デザインですが、このように現地で今の状況や将来を想像しながら管理を進めていくのもデザインであると思います。意識なくそれを実践しているガーデナーの方が多いと思いますが、実際こっちの方が楽しいと感じることもおおいですね。「偶然増えてきたこれをもっと魅力的に見せたいから、こうしよう。」で、実際にすぐに実行していくのは充実感があります。シーズン中はどうしても効率を優先しないといけないので、そのような進め方は困難。もう雪が降って強制終了されてもいいかな、という程度の冬仕度をおおまかに済ませたけど、まだ外作業が出来る今は、そんな作業ができる我々にとってちょっとラッキーな時間です。存分に楽しませていただいてます。
これは今年の春の写真ですが、確実にこれよりもよいシーンになるはずですよ。楽しみ!
今日は耐寒性の低い植物にウッドチップのマルチング。
マルチングとは「覆う」ことをいい、畑とかだとプラスチック製のシートのようなもので畝を覆っているのを良く見ますね。園芸では、花壇全体を覆うことが多く、その材料は目的により様々ですが、ウッドチップや腐葉土、バークたい肥など、景観を損なわない色合いで、土壌改良としても利用できるものを良く使います。
今日行ったマルチングは、少し寒さに弱いかな、と思われる種類に対して、株の周囲をいわば布団のようにかぶせて、地中(根がある所)の温度を少しでも保温したい、という目的です。使用資材はウッドチップで、写真のように目的のエリアだけ、スポット的に行うパターンでした。
こんな感じになっております。すでに、花壇の土はカチカチに凍っていますので、本来ならもう少し早く行いたいですが、なんとかまだ良いでしょう。もっとも、積雪が早く、根雪になってしまえば、地中の温度は下がりにくくなるので、このような目的でのマルチング自体が必要ない場合も考えられます。植物の耐寒性区分で寒さにどれだけ耐えられるかを大まかに知ることはできますが、これは積雪の影響を考慮した指標ではありませんので、積雪の多い地域では、宿根草のような、「地上部は休眠して地中の根だけで越冬する」種類は耐寒性区分の指標よりも実質的には有利だと考えることもできます。苫小牧は上の写真をご覧の通り、根雪はまだ先で、でも気温はぐんぐん下がっているので、雪の代わりに早めにこういったマルチングをしてあげるのが効果的です。イコロの森では、アガパンサス(Agapanthus)やヘスペランタ(Hesperantha)に行っています。また、花木ではフクシア マゲラニカ(Fuchsia magellanica)にも行います。どれも、行うことで、株が大きくなり、花芽も増えると実感しています。
春になったら、ここでつかったウッドチップは周囲に薄く敷き広げるとよいですね。
ちなみに昨日行った腐葉土のマルチングは春に咲くスノードロップの球根があるエリアで、土壌改良にもっとも期待していますが、景観の向上、そして園路と植栽域をはっきりさせたいという気持ちもあります。みなさん、ちいさなスノードロップ近くで見たさに、ついつい踏み込んでしまう様ですので。(コチラご参照ください。)ここの場合は、このエリアで集めた落ち葉を戻す、というところに大きな意義を感じます。
また、グレイトパーク修業時代には、同じくパーク内の作業で出た落ち葉や剪定枝でつくられたコンポストを、コニファーや、ツツジ属の花壇に敷きまくりました。この時期ですね。
マルチングの保温効果は寒いときだけでなく、夏場にも有効です。直射日光がガンガン当たって、地中の温度が高くなるのを嫌う植物には、是非ご利用ください。乾燥防止にも良いですね。
作業は「葉や茎が繁茂していない秋の刈り込み後から春の間」に、「積雪を避けて」なので北海道ではチャンスは短いです。やるなら今しかねぇ~、です。