私たちの住む向陽地区は、かつて「ポンアビラ」と呼ばれており、真夏は 30℃を超える日がある一方、真冬の朝は氷点下 20℃を下回ることもあり、1 年間の温度差が大きい内陸性の厳しい気候です。昼間と朝晩の温度差も大きく、その分美味しい野菜を味わえます。また、冬の積雪は 1m 程になるため、雪の下で保存する越冬野菜も好評を頂いています。
②「百姓のいえ」の由来
会社員時代、自炊生活の中で食に対する疑問を抱くようになり、自らの手でものをつくりたい、という想いからいつしか農の道へ。栃木の有機農家での研修を経て、2004年安平町(旧・追分町)にて新規就農。当農場では 就農当初より平飼い養鶏の他、約 30 種類の季節の野菜を無農薬・無化学肥料で多品目栽培しています。所有する農地のすべてで有機(オーガニック)認証を受けています。2015 年からは、お米(天日干し)や小麦などの穀物を栽培し、これらの農畜産物を利用した加工品づくりにも取り組んでいます。
屋号の「百姓のいえ」は「新しい」を意味するドイツ語“neu”(のい)と“いえ”を組み合わせた造語です。何年たっても百姓をはじめたときの気持ちを忘れないように、という想いを抱くと同時に、百姓を生業とするにあたって、昔から綿々と受け継がれてきた食生活や日本の文化・農業の営みを見つめ直し、新たな価値を見出す農場(いえ)にできればと思っています。
③有畜循環型の志向
百姓のいえでは、鶏などの家畜を飼い、卵や肉を生産し、田畑の残さや家畜の出したものなどを堆肥にして野菜や穀物を作り、それを人間が食べ、残りをまた田畑や家畜に還元する…といった、有畜循環型の農法を志向しています。
私たちの農作業は、雪が残る立春を過ぎた時期、昔ながらの踏込み温床づくりからはじまります。踏み込み温床は、落ち葉・米ぬか・鶏ふん・天然水を原料に発生する発酵熱を利用して種を発芽させたり苗を育てたりする昔ながらの手法です。発酵を終えて熱が下がった原料は翌春に良質な苗土として無駄なく活用しています。
④土壌づくりと自家採種の取り組み
私たちの取り組む有機栽培は、多種多様な細菌が棲んでいる土壌づくりがとても大切なことと考えています。近年の研究で、私たちの腸内バランス「腸内フローラ」が健康維持に重要だと言われているように、土づくりは「土壌フローラ」の環境づくりが重要だと考え、有用な微生物が棲みやすい環境や良質な自家製堆肥づくりに力を入れています。このような取り組みが鶏たちの健康や作物本来の美味しさにつながり、それらの恵みが少しでも私たちの健康維持に役立つことができればと願っています。
また、百姓のいえで使用する野菜の種は、なるべく在来種や固定種を選ぶようにしています。同時に自家採種に取り組み、農場の環境に適応した種の継続を心がけています。
ウェブサイト http://hyakusho.com/